絵の魅力とは、どんなところでしょうか。
私は “美しいと感じた何かを誰かに共有したい” と思ったときに、それを視覚で共有できることだと思っています。
他にも、難しい文章をわかりやすく伝えるときや楽しい思い出を絵に残したりと、写真では伝えることができない感情を、
絵は伝えることができるのです。
中には、絵を今まで描いたことがない方や、うまく描けるかわからないと不安を持つ方もいることでしょう。
ですが、絵を描くうえで大事なことは、うまく描くことではありません。
繰り返しになりますが、自分の感じたことを絵に乗せることです。
絵に正解はありません。
あなたの感じるままに、絵を描いてあなただけの魅力的な世界を見つけてみませんか?
とはいえ、はじめは何を描けばよいか迷いますよね。私もそうでした。
まずは身近なもの、ここではお花を例に、一緒に最初の一歩を踏み出してみましょう!
私たちは普段何気なくさまざまな物、風景を「見て」いますが、実は「見えていない」こともたくさんあります。絵を描くことで、そういった何気ない物に対しても注意深く観察する癖をつけることが出来ます。「見る」のではなく、「観る」習慣がつくのです。
何かを描くとき、じっくり観察することが普段気づかなかった新しい発見につながります。
絵を描くことでこういった観察力を培うことが出来るのです。
何もない壁に好きな絵を飾る、お気に入りのペンを手にする、家具を新調してみる、私たちはこういった出来事を通じて小さな幸せを
感じることが出来ます。
絵を描くことは私たちの日常に彩りを与えてくれます。絵画を通じて得た色の感性は毎日のコーディネートを考える時にも
役に立つことでしょう。ぜひ絵を描いてこれからの人生をより色鮮やかなものにしてみてください。
一枚の絵を仕上げるにはある程度の時間がかかります。
ですがそれは自分と向き合うことのできる大切な時間です。
集中してクリエイティブ活動を行うことで、ストレスが大幅に削減できるという研究結果も出ているほどです。ストレス社会の現代において、忙しいからこそ、楽しみながら自分の時間を没頭することのできる絵画という趣味は、おすすめのリフレッシュ方法です。
コロリアージュとはフランス語で「塗り絵」を意味し、植物や幾何学模様など細かく書かれた図柄に自由に彩色していく大人向けの塗り絵です。
コロリアージュには、色彩、配色のルールはなく、自分の色彩感覚のみで楽しむことが出来ます。好きな色で好きなように彩色していく
ことで、無心で集中でき、自立神経のバランスを整える効果に繋がるので、リフレッシュしたいときにもオススメです。
身近な美しいものといえば、季節の花々でしょう。四季豊かな日本では一年を通して様々な花を楽しむことが出来ます。
花を生けて愛でるように、額縁に入れて飾ることの出来る素敵な下絵を3種類ご用意しました。
この季節を代表する花である、桜、あじさい、そしてカーネーションです。
お好きな一枚を選んでいただき、塗り方のポイントを参考に自分なりに塗り進めてみましょう。きっと世界に一つだけのお気に入りの作品と
出会うことが出来ます。
塗っている時はあっという間に時間が過ぎていきます。
疲れないように休憩をとりつつ是非自分の時間を楽しんでみてください。
色鉛筆を使った下絵の塗り方について、
プロアーティストとしての
観点からどのような点に気をつけているかなどのポイントとともに
解説していきます。
お手持ちの色鉛筆でももちろん描くことは出来ますが、
ファーバーカステル(60色セット)をお持ちの方は、
色番号を付けていますのでより分かりやすく始めていただけます。
319番の薄いピンク色で桜の花びら全体を塗ります。
ベースの色となりますので
丁寧に描いてあげましょう。
342番の青系の色で、
桜が重なっている部分や
影になる部分を塗ります。そうすると絵に奥行きと
立体感を出すことが出来ます。
327番の濃いピンク色で
花びらの中心部分に色をつけます。
薄いピンクと濃いピンクが
なじむようにグラデーションを意識して、329番のピンク色で塗ります。
塗るときは
花びらのシワの線に沿って、中心から外側へと描いていきましょう。
307番の黄色で花の中心を、328番で桜のがくの部分を塗ります。
380番の茶色で枝の部分を塗り、371番の黄緑色で
細い茎や小さな葉の部分を塗ります。
335番の紫色で、がく、茎、枝などの細かい部分にも影をつけて完成です。
最後に307番の黄色で桜に光を当ててあげましょう。
いくつかの桜の花びらの先に塗るとより華やかになります。
347番の水色でアジサイの花全体のベースを塗ります。
次に全体的な花の影を334番で塗ります。
小さい花を一つひとつみるのではなく、大きな塊としてみてください。少し横長な球体に見えてきます。
そこで影になる部分を塗っていきましょう。
次に部分的な影を描きます。引き続き334番を使って花同士が重なっている部分などを見つけて塗っていきましょう。
345番の青色で花の中心部分を塗ります。また2~3で塗った影の部分にも重ねて塗ると、アジサイの青みが綺麗になります。349番の青色で花びらの脈を描いていきます。塗るというより線で描いてあげるようにしましょう。 線画の脈を参考に描いていくと良いです。
360番で花の中心部分を塗ります。ここも小さな球体を意識して334番で影も描き少し立体感 を出しましょう。363番の緑色で葉っぱ全体のベースを塗ります。このとき花側から外側へと意識して塗ってみましょう 。
334番の紫色で葉っぱに
移る花の影の部分を塗ります。357番の濃い緑色で葉の脈の部分を線画に沿って塗り、先ほど塗った影の部分も重ね塗りつつベースの色になじむように塗ります。最後に光を当てて完成です。 花びらの先などは304番の黄色、葉っぱの部分は370番の黄緑で描くとより華やかになります。
321番の赤色でカーネーションの花全体のベースを塗ります。このとき花びら一枚一枚は中心から外へ塗るようにすると良いでしょう。
343番の青色で花全体の影を塗ります。奥側の花びらや 重なっている部分を塗ると立体感が出ます。
花びらの色を塗っていきます。328番の濃い赤色で花びらの生え際の部分を濃く塗ります。326番の赤色で先ほど塗ったところとベースの色を馴染むように塗ります。このときフリルのような花びらの立体感も意識してみると良いです。
371番の黄緑色で茎や葉の全体のベースを塗ります
334番の紫色で影を塗って立体感を出します。光を上から当てているので、茎や葉の影になる部分は下を向いている面ということを意 識して塗っていきましょう。359番でがく以外の茎や葉の緑が濃い部分を塗ります。葉の生え際や茎の変わり目付近はベースの色を残すようにしましょう。
花びらで影になっているがくの部分やもう少し影を濃くしたい部分に343番の青色を塗ります。また花の部分に戻り、337番の紫色で花びらの生え際部分の影を少し濃くして完成です。最後に304番の黄色で光を当てて あげましょう。花びらの先 に少し塗ってあげることで 、華やかな絵に仕上がります。
ファーバーカステル伝統の、クラシックな絵柄の缶に入った
色鉛筆セットです。直径3.3mmの太さの芯は、SV製法により芯が折れにくい構造になっています。また、軸部分には名前の書き込めるスペースがあるので、学校などでのご使用にも
便利です。
塩谷 真代フリーランスアーティスト
絵を本格的に描き始めたきっかけは名古屋で出会ったペン作家さんの作品に触れた時。動物と花をとても綿密に描かれていました。
小さい頃から絵が好きで、理想の女の子を描きたいなどぼんやり
考えていたのですが、私もこんなふうに描きたいと思い、帰ってすぐ自宅にあるペンと水彩を使って試してみたことが始まりです。
それから美術大学に進学し素敵な仲間にも出会え、卒業後も変わらず夢中に描き続けています。
© 2021 Shachihata Inc.